ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | ジウマ大統領=ブルガリアを初訪問=父親の故国とビジネスを=両国間の共同事業を後押し

ジウマ大統領=ブルガリアを初訪問=父親の故国とビジネスを=両国間の共同事業を後押し

ニッケイ新聞 2011年10月7日付け

 ジウマ・ロウセフ大統領は5日、父親の故国のブルガリアに到着したが、演説では2日間の訪問には感傷旅行以上の目的があることを特徴づけたと6日付エスタード紙などが報じている。
 現在、両国間の貿易はほぼ皆無の状態だが、ブルガリアは低額の投資先としては、「楽園だ」と促進している。
 ジウマ大統領の父親のペーター・ルセフさんは、1926年にブルガリアからアルゼンチンに渡った後、ブラジルに逃げてきており、名前をペドロ・ロウセフへとポルトガル語化している。
 「私の親族関係や感情面以外に、ブルガリアはブラジルにとって、これから我々が存在感を拡大したい地域(欧州)への戦略的なパートナーになりえる」とジウマ大統領は、同国大統領官邸で行われた演説で語った。
 またその後、同国のボイコ・ボリソフ首相に対し、「両国のパートナーシップがうまくいくと信じているから、ブラジルの大臣や実業家を連れてきた」と話している。
 ペトロブラスやエレトロブラス、エンブラッパ(ブラジル農牧研究公社)などの代表者および、建設会社のカマルゴ・コレア、アンドラーデ・グティエレス、ケイロス・ガルヴォンの役員と全国工業連盟(CNI)のロブソン・アンドラーデ会長がブルガリアへ同行している。
 彼らがブルガリアとどのようなビジネスを行う考えなのかは、明らかにされていない。同国は現在、失業率が上昇しており、景気低迷している。
 EU(欧州連合)の統計によると、2011年前半期の両国間の輸出額と輸入額の合計は5千万ユーロに達しておらず、他の国と比べても低い数値となっている。
 一方、ジウマ大統領のブルガリア訪問は今回が初めて。訪問2日目の6日には、首都ソフィアで2007年に亡くなった腹違いの兄の墓参りを行った後、父親の生まれ故郷のガブロヴォ市を訪問。同市中心部のヴァシル・アプリルフ高校で多くの人々からの歓迎を受けたほか、歴史博物館に設けられたルセフ家紹介のための『ブルガリア人の血をひくジウマ・ロウセフ』と題する展示コーナーも訪れた。