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援協・定例役員会=サントス厚生ホームが市と提携へ=SUS定礎式に15万レ弱

ニッケイ新聞 2011年10月14日付け

 サンパウロ日伯援護協会(菊地義治会長)は29日、9月の定例役員会をリベルダーデ区の本部会議室で開いた。
 冒頭、このたび1カ月の予定で来伯しており、サンパウロ自閉症療育学級「青空学級」(PIPA)で過去2年間指導者の養成を行った三枝たか子元JICAシニアボランティアが紹介された。
 薬物に頼らない生活療法を行ない、「子供の可能性を開くことが目的で効果も高い」と話す三枝さんは、来年から再びシニアとしてPIPAで活動できるようJICAに申請中だという。
 自閉症患者が、親が亡き後も楽しく人生を送れるような長期的な指導プログラムを説明、役員らに理解を呼びかけた。
 続いて、SMアルカンジョ市で9月23日に行われたSUS病院定礎式について、毛利連副会長が報告した。
 準備等も含め、定礎式には合計約14万7千レがかかり、市民は1万2千人市民が訪れたことが報告された。加えて、病院完成までの期間、仮事務所を開設することが承認された。
 サントス厚生ホームの前園マルセリーノホーム長は、サントス市との提携事業が具体化していることを報告した。
 市議と懇意な同ホームのボランティアの仲介で交渉が進み、先月12日に議会で提案され「後は市長の承認を待つのみ」だという。
 説明によれば、同ホームが受け入れ可能な50人の入居者のうち10人をサントス市民のために確保することで市から補助金が下り、市にとって重要な施設であることの認定書も発行されるという。
 09年の法令により、免税が許される公益福祉団体登録を維持して同ホームが活動を続けるには、入居者の6割がサントス市民である必要があるが、市との交渉の結果、50人中10人の受け入れで合意している。
 援協傘下の他施設も同様の交渉を行政機関と進める動きがあり、同ホームがさきがけて実現に至った格好だ。
 前園ホーム長は「今後も福祉施設として存続させるために、市との提携は必須。非日系人から要望の強いデイサービスなどの導入も考えたい」と展望を語った。