ニッケイ新聞 2011年10月19日付け
2014年のサッカーW杯の開会式会場としてサンパウロ市が選ばれたことが、国際サッカー連盟(FIFA)とW杯現地実行委員会(COL)との17日の話し合いで確認された。18日付フォーリャ紙が報じた。
FIFAとCOL幹部がスイスのチューリッヒで取り交わした話し合いの内容は、20日に行われる調印式で全体の試合日程などと共に正式に発表される見込み。
開幕戦の会場となるサンパウロ市のイタケロン・スタジアムは会場整備に関しての遅れが指摘され、2013年のコンフェデレーション・カップ開催には間に合わないが、その後の工事の進捗状況がFIFAに好印象を与え、W杯にゴーサインが出る形となった。民間投資やサンパウロ州とサンパウロ市からの資金投下で8億2000万レアルの総工費確保が保証されたことで、開会式決定に必要な書類の調印も確認されたことが決定打になったとも言われる。
また、決勝戦の会場に選ばれたリオデジャネイロのマラカナン・スタジアムは、改修工事が遅れ、13年中の完成が危ぶまれている。
一方、開会式の会場争いでサンパウロ市に敗れたベロ・オリゾンテとブラジリアは、6万人以上収容可能なスタジアムを持つことから、準決勝やブラジル代表の試合の候補地として有力視されているが、宿泊施設の確保が課題とされている。
W杯半額入場券、FIFAが猛反発
8日付エスタード紙によると、ブラジルが検討している高齢者や学生へのW杯の半額入場券を導入すると、推定で18億レアルもの損害が予想されるとFIFAが発表。半額制の導入自体、2009年にルーラ前大統領と結んだ規約と矛盾するとの指摘も行なった。
これにより、試合日程の発表後にすぐに発券される予定だったW杯の入場券の発売は延期が予想されている。
「前向きに行こう!」とペレ氏が喝
14年W杯親善大使のペレ氏がW杯に関するブラジル民の不安を一喝した。8日付エスタード紙によると、ポルト・アレグレでの取材に応じた同氏は「『(W杯に向けて)できないことが多い』なんて弱気な意見を耳にするけど、そんなことはない。必ずできる。国民みんなの力で実現するんだ。そのために私はここにいる」と発言した。
W杯への悲観論を打ち消すことがジウマ大統領が自身に与えた使命だとも語った。