ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

話題作が続々と登場=サンパウロ市国際映画祭はじまる=主催者急逝の逆境の最中

ニッケイ新聞 2011年10月21日付け

 本日21日より11月3日まで、第35回目となるサンパウロ国際映画祭が開催される。18日付本紙でも既報の通り、14日に逝去した創設者のレオン・カッコフ氏が携わったのは今回が最後。氏は死の直前まで作品の選定に携わり、脳腫瘍という大病を抱えながらも入院先で会議を開くなど、最後まで全身全霊を傾けた。カッコフ氏の功績を称え、イビラプエラ公園体育館で本日開かれるオープニング・セレモニーでは、同氏に捧げる追悼ビデオが上映される予定だ。
 今回の映画祭は、こうした感傷的な気運により盛況となる可能性もあるが、厳しい見方も存在する。
 20日付のエスタード紙は、「試練に立たされた国際映画祭」と題した記事を掲載。創設者として絶対的な存在だったカッコフ氏を抜きに、氏の夫人であり共同主催者のへナータ・デ・アルメイダさんを始めとしたスタッフが今後映画祭を運営していけるかとの疑問を呈した上、国内の他の映画祭で先に公開された映画の上映を禁じる新条例の存在も不利に働いていることを指摘。今月上旬、リオデジャネイロでアカデミー賞候補作との前評判の高い作品を多く含む約350作品を上映する国際映画祭が開催された影響もあり、今年のサンパウロ国際映画祭の上映数は例年の約400本から250本余りにまで減少している。
 そんな今年のサンパウロ国際映画祭だが、注目作も少なくない。オープニング上映は今年のカンヌ映画祭審査員特別グランプリに輝いた、国際映画祭受賞常連監督であるベルギーのダルデンヌ兄弟による「自転車に乗った少年」、クロージング上映はベネチア映画祭金獅子賞に輝いたロシアの巨匠アレクサンドル・ソクーロフ監督の「ファウスト」。他にも米国の人気俳優ジョージ・クルーニー監督作の「アイズ・オブ・マーチ」や仏国の人気監督ジュリー・ガブラスの「レイト・ブルーマーズ」などが上映される。また、「エデンの東」や「波止場」で知られる戦後米国映画の巨匠エリア・カザン監督の特集上映や、ロシアの伝説的監督セルゲイ・パラジャーノフの記念展示会なども行なわれる。日本からは、河瀬直美監督の「朱花の月」など4本が出展予定。
 同映画祭の詳細に関する問い合わせは、同祭本部(電話)11・3251・2804もしくは2806か、サイトhttp://mostra.orgまで。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button