ニッケイ新聞 2011年10月21日付け
サラリーマンの出世を描いた人気連載漫画『島耕作』シリーズの作者弘兼憲史さん(64、山口)が、ブラジルを舞台に物語を展開させるため、パナソニック工場などを取材、15日には母校の早稲田大学出身の日系企業関係者らによる昼食会に参加した。
現在「モーニング」(講談社)で連載中の同シリーズは、今年で28年目。大手電器メーカー「初芝電器産業」に務める主人公を通し、日本企業の動向や企業間の争いなどを描く。娯楽であると同時に読者への情報提供という側面も持つ。
「中国、インド、ロシアはもう舞台として取り上げ、ブラジルだけが残っていた」。読者からの要望や期待もあり、多忙なスケジュールの中10日間を確保した。
昼食会でも、それぞれの企業家が述べる経済に関する意見に真剣な面持ちで耳を傾け、「ブラジルの発展ぶりは想像以上。コストの増加で中国の利点が失われつつある中、この国は大きな選択肢の一つだ」と確信を新たにした様子。
一方、「あちこちサムソンの宣伝だらけで、日本は韓国に相当押されていると感じた。ブランド戦略をもっと推し進め、いかに対韓国で頑張るかを描きたい」と話した。