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リビア大使館では花火も=ブラジルでも祝うカダフィの死

ニッケイ新聞 2011年10月22日付け

 リビアの国民評議会(NTC)によって20日、元最高指導者のモアマル・カダフィ大佐の死が報じられたが、国内でも彼の死は波紋を呼んでいると20日付G1サイトが報じている。
 ブラジリアのリビア大使館では、カダフィ大佐の死後、リビア人たちが音楽などを流し、花火を打ち上げて彼の死を祝った。また、大使館の庭では大佐の写真を焚き火にくべる姿も見られた。
 また、35年前にリビアの独裁政権から逃れ、ブラジルへ移住したサディック・ジャマールさん(53)は「彼にとっては悲しい結末だが、我々にとっては幸せな結末だ」と述べており、彼の死を知った時は涙がこぼれたと話している。
 これに反し、アフリカのアンゴラを訪問中だったジウマ・ロウセフ大統領は、「世界はリビアの民主主義への移行を支援し、奨励すべきだ」とした上で、「同国は民主的変革のプロセスを経ている。どんな指導者の死であろうと祝うのは間違っている」と述べた。
 一方、カダフィ大佐と反米姿勢を共有し、盟友関係にあったベネズエラのウゴ・チャベス大統領は、「彼は偉大な闘士、革命家、殉教者として記憶されるだろう」とカダフィ大佐をたたえた。
 チャベス氏は、彼は暗殺されたと話しており、「世界征服を求めるアメリカとその同盟国が、世界中に火を放っていることが一番悲しい」と欧米諸国を強く批判した。
 また、カダフィ政権支持者でもあるセアラ州のハロルド・コエリョ神父は、「カダフィ大佐を殺した人々の邪悪を表す行為だ。キリスト教始め、どこの宗教でも人の死は祝わない」と述べた。
 コエリョ神父はカダフィ大佐の民主主義観および政治哲学を披瀝した『緑の書(グリーン・ブック)』運動に参加しており、2010年6月には同大佐からの招待でリビアを訪問している。