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マナウス=大橋完成で発展に期待=税制恩典の実施延長へ=対象区域の拡大を約束

ニッケイ新聞 2011年10月26日付け

 ジウマ大統領は24日、アマゾナス州マナウス市で行われたネグロ川大橋の落成式にルーラ前大統領と共に参加し、マナウス税制恩典地域(ZFM)の実施期間を50年間延長するための憲法改正法案を議会に提出することを発表した。
 これは、10億レアル以上もの工費をかけて作られ、ネグロ川をまたいでマナウス市と対岸の四つの市を繋ぐ総延長3キロ半の大橋だ。マナウス市制342周年の記念日を選んで行われた落成式には、10万人以上の人がつめかけた。
 これまで対岸から対岸まで水路で30〜40分かかっていた輸送が、この橋の完成により5分にまで短縮。これにより、生産効率の向上と新たな工業用地確保の可能性の拡大が見込まれる。
 ジウマ大統領は落成式の演説で「アマゾンの森林を守ると同時に、アマゾナス州民の方々に多くの雇用を創出したい」と、同地区の経済発展を約束した。
 ZFMはブラジル政府がアマゾン奥地の開発を図るために1967年にはじめた工業区域プロジェクト。積極的な税制優遇を行うことによって、ブラジル市場進出を目指す外資系企業の工場を次々と誘致し、ブラジルの工業発展とアマゾナス州の発展に寄与してきた。日本からも数多くの自動車や家電メーカーが進出してきている。
 ZFMは当初、1997年までのプロジェクトとして進められていたが、過去3度更新され、2023年まで継続することになっていた。今回の更新により、最短でも2073年まで延長されることとなる。
 ジウマ大統領は税制優遇処置実施期間の延長のみならず、ZFMの対象区域も拡大する。新たに対象となるのはマナカプル市をはじめとしたマナウス周辺の7市。これは、ネグロ大橋の完成によって見込まれる産業の活発化を念頭においたものと思われる。