ニッケイ新聞 2011年10月26日付け
【沖縄タイムス=既報関連】「姉ちゃんは元気ですよ」—。名護市我部祖河の金城タミ子さん(78)が16日、ブラジルのカンポ・グランデに住む姉の上地喜美子さん(83)と25年ぶりに電話で会話した。
姉を捜す金城さんが沖縄タイムス15日付で紹介され、その記事を読んだカンポ・グランデの元県人会長、宮里和直さん(66)が知人をたどって電話番号を確認した。
25年ぶりの姉妹の会話は、昨日まで会っていたかのように淡々としていた。喜美子さんは「来年は85のトゥシビー、長男も61歳になるよ」と方言で話した。
生きているかさえ分からなかった姉の声は「異国で子ども10人を育てただけあり、おおらかで明るかった」。音信不通だったことには「ブラジルの電話番号はよく変わる」と、「あっけらかん」とした。
姉妹は父親の死後に会ったきり。17日は25年忌にあたり、タミ子さんは「父も心配していると思うので、命日にいい報告ができる」とほっとした表情。「トゥシビー祝いにはブラジルへ行ってみたい。抱き合って泣くかも」と再会を楽しみにしている。
タミ子さんの懸命の思いが多くのチムグクル(肝心)を経由して、喜美子さんに届いた。タミ子さんは「世界のウチナーンチュ大会の期間が最後のチャンスと思っていた。親切にしていただき、感謝している」と喜んだ。
宮里さんは「県人会で調べられるケースは多い。1世が急激に少なくなっているので、捜したい人がいれば、早めに連絡した方がいい」と話している。