ENEM=模擬試験に類似出題=予行テストの流用が出所=全受験者再テストか
ニッケイ新聞 2011年10月28日付け
22、23日に行われた国家高等教育試験(ENEM)に関して、その2週間前にセアラ州フォルタレーザ市の高校で行われた対策模擬テストと酷似した問題が出題されていたことが明らかとなっていたが、調査の結果、それらの問題が、教育省が前年10月に行ったENEMの予行テストからの流用であったことも判明した。27日付け伯字紙が報じた。
今回ENEMとの類似が指摘されたのは、同州フォルタレーザ市にある進学校クリスツス高校が今月初旬に行った模擬テストで、同校に通う生徒がENEM初日の22日夜にサイト上で、二つの試験に同じ問題が出題されたことに言及。25日には、同生徒を従兄弟に持つ別の学校の生徒が模擬テストの実物写真を公開し、同一性が明らかとなった。
その後、教育省が調査したところ、生徒たちが指摘した計13問の類似問題中9問が、教育省が2010年10月に行ったEMEMの予行テストで出題されたものと同一または類似したものであったことが判明した。予行テストは、ENEMの出題難易度を測るためのもので、厳選された指定地域の大学1年生と高校2年生を対象に定期的に行われているもので、昨年はクリスツス高校のあるセアラ州が実施地域に含まれていた。
教育省担当者は、予行テストは回収し、厳重に管理した後に焼却するので流失は考えられないとし、内部に金銭を介した不正行為を行った者、もしくは、別紙への書き写しやコピーをして流出させた者がいないか、警察に調査を依頼した。
この事態を受け、教育省は、クリスツス高校639人の受験結果を無効とし、11月28、29日に再試験を行うことを決めた。しかし、同校の関係者と検察庁セアラ州支部はこの決定を不服とし、今年度の受験者全員の結果を無効にすべきだと主張している。
ENEMは2009年にも情報の事前漏洩によるテストの再作成、10年にも作文のテーマが漏れるなど、問題管理の不徹底さが指摘されていた。今回の件も問題を厳重に管理する必要を指摘する例だが、なぜ予行テストと同じ問題を本試験でも出題してしまったのかとの疑問は拭えない。