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米州機構の会議欠席=水力発電問題でブラジル反発

ニッケイ新聞 2011年10月28日付け

 ブラジルは26日、米州機構人権委員会が開催した審問への参加を拒否した。これにより、建設が難航するパラー州のベロ・モンテ水力発電所に新たな難題が降りかかることになりそうだ。27日にエスタード紙が報じた。
 米州機構は、今回のブラジル代表の欠席を、同機構が4月に行ったベロ・モンテ水力発電所の工事差し止め請求に対する報復として解釈し、同発電所建設に反対する非政府団体は、ブラジルの行為を厳しく批判した。
 この件に関し、ブラジルの米州機構代表団はメディアに対するコメントを拒否したが、外務省関係者は「(先住民の権利を阻害したとの委員会側の言い分に対し)疑いを晴らすのに十分な資料を送ってある」とし、米州機構と対立する姿勢をほのめかしている。
 非政府団体は4月以降の動きも追跡しており、連邦地方裁判所が10月に2005年に出たベロ・モンテ水力発電所建設許可は違法との判決を下し、パラー州検察局も先住民の抗議行動を認め工事差し止めを請求したこと、先日も水力発電所のあるパラー州アルタミラ市役所と市議会からジウマ大統領あてに建設の中止を要請する手紙が送られたことを根拠に、徹底抗戦の構えを見せている。