ニッケイ新聞 2011年10月29日付け
連邦警察が27日、年間4700万レアルを動かしていたとされる麻薬密売組織を摘発し、36人を逮捕と28日付エスタード紙などが報じた。
スペイン語で種を表す〃セミーラ〃と命名された作戦は、連警が1年前から捜査、計画していたもので、サンパウロ州にある車や種を扱う会社社長らも含む36人は、6州にまたがって暗躍していた組織メンバーのほんの一端で、1年間の逮捕者は106人、押収された麻薬は大麻5210キロ、コカイン4327キロ。
27日には農園や高級アパートなどの捜査が行われ、車63台や小型機2機、100万レアル超の現金、10丁余りの武器などが押収された。
問題の組織は、ボリビアやパラグアイから購入した大麻やコカインを、ブラジル内やアフリカ、ヨーロッパで販売しており、メンバーの国籍もブラジル、南米、イタリアなど、多岐に渡っている。
大サンパウロ市圏バルエリに麻薬の精製所を持つ同組織は、架空の会社を登録するなどして手広く商売を行っていたようで、イタリアのマフィアを通して273キロのコカインを欧州に輸出しようとしたり、トラック積載のコカイン650キロ(500万レアル相当)が押収されたりした事が、連警の一斉検挙に繋がった。アフリカへも毎月250キロのコカインを輸出していたと見られている。
今回摘発された組織の規模は、2010年に連警が押収したコカインの総量1万トンとの比較からも推測できるが、ボリビアからのコカインやパラグアイからの大麻は国内の麻薬組織の重要な資金源で、小型機やボートなど様々な方法で持ち込まれている。