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脊髄損傷の兄を見かね=頼まれた弟が偽装殺人

ニッケイ新聞 2011年10月29日付け

 脊髄損傷の兄を哀れんで、同居する弟が、自宅への強盗襲撃を偽装する形で、兄に2発の銃弾を浴びせて殺害したと自供した。28日にフォーリャ紙が報じた。
 殺害を認めたのは、サンパウロ州リオ・クラーロ在住のロベルト・ロドリゴ・デ・オリヴェイラ容疑者(22)で、殺されたのは兄のジェラルドさん(28)。この事件は兄弟2人が共謀し、弟が実行したという。
 警察の調べによると、弟は2009年に、兄にオートバイと車での街中でのスピード・レースを持ちかけた。ところが、兄が運転する車が転覆し、脊髄損傷の重傷を負うことになったという。兄は症状に苦しみ、弟に「俺を殺すのがおまえの義務だ」「この体では自殺さえできない」と訴えていたという。
 そこで22日に強盗襲撃の偽装をして殺害を敢行。15歳になる甥に、軍警に「自宅が襲撃された」と通報させた。しかし、軍警は、身体的に抵抗が不能なジェラルドさんを強盗が射殺する必然性がないことなどから、襲撃を疑問視していた。
 担当弁護士はロベルト容疑者には前科がなく、兄への悔恨の念に苛まれ続けていたとし、情状酌量の余地があることを主張している。

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