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ゴミ収集から金メダル=マラソンのシウヴァ選手

ニッケイ新聞 2011年11月1日付け

 今回の汎米選手権においてブラジル最後のメダリストとなった、男子マラソン優勝のソロネイ・ロシャ・デ・シウヴァ選手はゴミ回収者だった…。 新たな成功譚の誕生だ。29歳にしてマラソン・キャリアわずか2年、フルマラソン3回目の超遅咲きのシウヴァ選手は、石工、ペンキ職人、製革職人などを転々とした後、2009年にゴミ回収者として採用された。この仕事でゴミ収集トラックの後ろを毎日のように3時間、「あそこまで行きゃ100レアル、向こうまで行きゃ200レアル…」と思いながら走ったという。
 そんな姿がブラジル体育協会の医師の目にとまり、コーチのクロドアルド・カルモ氏のメガネにもかなったことで、同年9月から本格トレーニングがはじまった。今はサンパウロ市ピニェイロスの実業団に入り、スポーツ科学の勉強にもいそしんでいる。
 「今やみんな、俺がどこから来たのか知っている。ゴミ回収者だったのは俺の誇りだ。これからだってずっとそう言いつづけてやるぜ」。
 今回の汎米選手権は乾いた高地でのゲームだったため、タイムは自己最低の2時間16分台。ロンドン五輪の標準記録2時間15分には惜しくも及ばなかったが、「必ず五輪に出場してみせる」と力強く語っている。

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