ニッケイ新聞 2011年11月2日付け
サンパウロ日伯援護協会(菊地義治会長)は先月27日、10月の定例理事会を開き、佐々木弘一第一会計理事が、12年度の予算(案)が2億4567万3480レアルに上る見通しを発表した。
日伯友好病院の予算が突出し、全体の93%にあたる2億2896万7380レの収支を計上。援協本部の収支は会員会費、基金からの受け入れ額などで341万1800レ、福祉部は198万2400レ。その他傘下施設の予算案も承認された。
引き続き来年度の事業計画(案)とその費用も発表された。
友好病院では、長期入院患者を収容する緩和ケア病院建設、腫瘍専門治療室の設置、手術センターの改修と拡張、医療機器(手術センター用機材、腫瘍治療、胃カメラ)、結石破砕機器の購入等の事業に、基金から1130万レの予算を計上。「病院の近代化を図り、設備も一新するため」との説明があった。
また、サントス厚生ホーム、カンポスさくらホーム、やすらぎホーム、スザノイペランジアホーム、あけぼのホームは「市、保険・福祉局との提携事業に力を入れる」ことを一様に挙げ、公益福祉団体として免税を維持するために注力していくことが示された。
自閉症児療育「青空学級」(PIPA)は、指導員の育成と強化、指導要領の確立準備、自閉症療育センターの開設などに、助成金と基金から300万レを計上。
この金額は〃最後の支援〃を申し出た神内良一氏へ提出された事業案の中から、検討の上いずれかに充てられる予定のもので、PIPAに充てられるかどうかは未定。
来年6月の開設を目指すサンミゲル・アルカンジョ病院は、40床の病院建設、医療機器、事務管理機器購入などに833万2千レを計上。すべて承認された。 予算案と事業計画案は、今月5日に行われる定例評議員会で検討される。
その他、やすらぎホームの3家屋の改修に、社会福祉センター建設費の余剰金から約10万レの予算を充てることが承認された。
さくらホームの辻雄三経営委員長は、先般市の関係者と会合をもち、市との提携事業に関する合意書作成に着手したこと、サントス厚生ホームの前園マルセリーノホーム長は既に市長が提携に署名し、今後詳細を詰めていくことが報告された。