ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 毎日11もの新規工事=騒音公害に悩むサンパウロ市民

毎日11もの新規工事=騒音公害に悩むサンパウロ市民

ニッケイ新聞 2011年11月8日付け

 今年に入り、サンパウロ市では毎日平均11の新規の工事がはじまり、その騒音により市民は夜も眠れない生活を送っていると、7日付でエスタード紙が報じている。
 同紙によると、今年の1〜9月にかけて始まった、水道、下水、ガス、電話などの設置や改修のための工事は3千件以上にも及ぶ。実に1日に11件の新規工事が行われていることになるが、このペースで行くと年末までに行われる工事数の総計は、2009年の2割増しとなる4千件に達することになる。
 この動きは、経済や不動産産業の発展の反映ではあるが、迷惑を被っている人も少なくない。現に10月26日にはじまったサンパウロ市セントロに位置するラルゴ・デ・サンタイフィジェニアでの工事では、近隣住人はもちろんのこと、窓を閉めた車での通行者や周辺のホテルの宿泊者までもが苦情を訴えている。
 また、工事への苦情はこうした作業中の騒音によるものだけではない。工事による埃で視界がさえぎられる自動車の運転手、入り口が塞がれて使えなくなった駐車場や客足が減ったレストランなどの所有者ほか、大型トラックによる交通妨害や瓦礫収集用のカサンバ撤去の際に生じる音に苦情を訴える人も多い。
 また、このような騒音への苦情への市の対策も非常に甘いため、解決を警察に求める人も少なくなく、警察への苦情は上半期だけで1084件、1日平均6件に上っているという。