USP占拠、収束へ=軍警が強制退去させる=残る学内統治の問題
ニッケイ新聞 2011年11月9日付け
2日未明から続いていたサンパウロ総合大学(USP)学生による大学本部棟占拠が、裁判所の立ち退き命令の期限を過ぎても継続されたことで、軍警が8日朝、特殊部隊を出動させての強制退去に至った。8日に伯字紙サイトが報じた。
事の発端は、10月27日、USPのキャンパス内で大麻を吸っていた3人の学生が軍警に連行されるのに対し、学内に軍警が立ち入ることに苛立ちを覚えていた学生約400人が反発したことで、一部学生は事件直後に文学部(哲学文学人文科学学部)棟を占拠した。
この占拠は、1日夜に学生たちが開いた総会で打ち切りが決まって終わるかに見えたが、これに「継続派」が反発し、2日未明に50人余りが本部棟に侵入した。
この本部棟占拠に対し裁判所は4日午後、「24時間以内の立ち退き」を命じたが、週末は総会を開けないことや、7日に大学と職員、学生代表による三者合議を開くことを理由に期間を延期。5日に7日午後11時を期限とする「50時間以内の立ち退き」を言い渡した。三者合議では、学長自身も「期限内に退去すれば処罰は与えない」と発表し、歩み寄る姿勢を示していた。
だが学生たちは、(1)軍警の学内からの立ち退き(2)州保安局との合意事項廃止(3)ストライキに参加して起訴されたUSP職員に対する処分撤回の三つの要求に対する大学からの回答を得ていないとして、占拠続行を決めた。
学生たちのこの動きに対し、軍警は8日早朝、特殊部隊を派遣。約400人の軍警は午前5時10分頃USPに着いた。
本部棟前で学生たちと小競り合いの後、本部棟に踏み込んだ軍警は、占拠していた学生をひとりずつ屋外に連れ出した。
本部棟占拠者と屋外で抵抗して逮捕された学生73人は、裁判所の命令にそむいたことや、防犯カメラや扉、壁の落書きなどの器物破損で起訴される見込みで、本部棟内には火炎瓶を作るための材料も揃っていたという。1050レアルだった学生ひとりあたりの保釈金は545レアルに引き下げられた。
近年はUSPに限らず、ブラジル内の他の大学においても、学内警備を軍警に依頼するケースが増えている。それに対し、学生たちの間で、学内自治の範囲を超えた警察の監視の行き過ぎを指摘する声も目立っている。
また、USP校内においても、今回の占拠をめぐって、賛成派と反対派の間の強い対立で学内が2分されているという。