ニッケイ新聞 2011年11月15日付け
年末商戦まで残るところ1カ月余りとなり、高額商品までが在庫一層処分の対象となっていると13日付エスタード紙が報じた。
13カ月給も支給される11〜12月は一年で一番売上げが期待される時期で、経済成長見通しが下方修正される中、在庫一層を狙う企業の値引き作戦も加速しているという。
年末商戦の定番である電気電化製品の値引きは良く見かけるが、今年の場合、車や家具、アパートまでが在庫一層処分の対象となっている。
経済が成長し、需要も高まる時は値段が上がっても買う人が多いため、金回りの良くなる年末は在庫一層の対象となり難いものまで値引きされているのは、1月には4・6%だった今年の経済成長率予想が、現在は3・2%まで下方修正された事などが原因だ。
これらの経済減速予想を受け、手元においておけば管理費などがかさむものを早めに売り捌き、負担を少しでも減らそうと考える企業が安売り攻勢をかけているという例は、一部の新築不動産価格を36%まで割引のEvenやGafisa、Ezetecなど。
販売量が右肩下がりの自動車産業も、在庫拡大が深刻で、解雇の動きが報じられていると共に、在庫減らしのための安売りが表面化。電気電化製品も、為替変動を受けた値上がりとの予想が覆って、当初予想以上の割引攻勢に及んでいる。
ただ、経済減速傾向が顕著になる中では、消費者側も在庫一掃の言葉に踊らされない心がけが必要である事は、債務不履行増加との報道からも明らか。先を見越した消費計画が求められている。