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シンボルのひげに別れ=化学療法中のルーラ氏

ニッケイ新聞 2011年11月18日付け

 喉頭がんで化学療法を受けているルーラ元大統領が、16日にトレードマークであるあごひげを剃ったと、17日付で伯字紙が報じた。
 ルーラ氏のあごひげは、ABCパウリスタでのストライキを主導した1979年頃から30余年に渡って生やし続けたもので、自他共に認める象徴となっていた。1989年の大統領選挙の際にはレオネル・ブリゾラ候補から「ひげ蛙」と揶揄され、2002年の同選挙の際には「これまで敵が何人いたかわかりません。労働者党の赤い旗も、星も、私のひげも恐れられていたものです」と、自ら労働者党のシンボルと並べて語っていたほどだ。
 その自慢のあごひげは16日午後4時頃、サンベルナルド・ド・カンポにある自宅アパートで、夫人のマリーザさんによって頭髪と共に剃られ、口ひげだけが残ることとなった。その直後にルーラ氏の公式サイトに掲載された、専属カメラマンによって撮影された剃髪中・剃髪後の2枚の写真は、ネット上で複製が多数出回わり、ブラジル中の噂の的になった。
 中には、「(カミソリ・メーカーの)ジレットが、自社製品を使わせるためにルーラ氏に金を貢いだ」というジョーク(同社は否定)まで飛び出しているほどだ。