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真相究明委員会遂に発足=国連は恩赦法見直し要求

ニッケイ新聞 2011年11月22日付け

 ルーラ政権からの課題であった真相究明委員会設置法案が、18日にジウマ大統領によって裁可されたと19日付伯字紙が報じた。
 同委員会の設置は、1946〜88年の軍政時代に捕らえられ、拷問を受けたりして死亡した人や消息不明となった人々の家族も念願していたもので、迫害者側を訴追する事を目的とするものではないという前提で、軍関係者の賛同もえたという経緯がある。
 委員会の設置は国際社会からも注目され、国連人権委員会も賞賛の声を上げたが、国連が同時に要求したのは、反体制派として権利を剥奪されていた人だけではなく、体制側にたって迫害を行ったりした人達にも及ぶ恩赦法の見直しだ。
 19日付フォーリャ紙は、アルゼンチンで捕らえられ、消息を絶ったブラジル人がいたと報じたが、アルゼンチンなどの南米諸国では軍政時代の体制側人物に対する有罪判決が続く中、体制側の人物であっても罰せずというブラジルの姿勢への疑問の声は高まる一方。
 真相究明委員会での調査と軍政時代の情報も含む機密文書公開により、迫害に加わった事が判明する人物なども出てくるはずで、ジウマ政権の対応が今後、別の意味の注目を集めそうだ。