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サンタイザベル=草の根無償で台所を増改築=貧困児童の給食改善めざし

ニッケイ新聞 2011年11月23日付け

 日本外務省による2010年度の「草の根・人間の安全保障無償資金協力」(以下、草の根無償)を得て実施された、「児童給食改善計画」の供与式が11日午前10時、在べレン総領事館(沼田幸雄総領事)、サンタイザベル・サントアントニオ日伯文化協会(小和田道弘会長)によって行われた。
 式典にはサンタイザベル市の加藤マリオ市長、同文協の大橋敏男名誉会長、パラエンセ農業組合の石森次郎会長、同文協が運営する「ニッケイ学校」の生徒、プロジェクト参加者など約200人が出席した。
 小和田会長は資金供与に対する謝意を示し、「長年の願いだった調理場が改善したことで多くの活動が可能になり、貧困児童に対する教育や給食事業が進められる」とのべた。
 沼田総領事は、「この事業で給食の充実化、社会格差の縮小が実現する」と話し、同文協のさらなる発展に期待を示した。
 同文協では社会貢献活動として給食つきの補習授業を週に一度、7〜12歳の地域の児童を対象に婦人会、ボランティア教師の協力で実施してきたが、調理を行う厨房が手狭で老朽化が進んでいた。
 そこで本計画では台所の増改築を目的に4万9240米ドルを限度とする資金供与を受け、給食の内容改善、さらに多くの貧困家庭の児童に支援を行うべく実施された。
 同文協はニッケイ学校を通じたスポーツ、教育、文化等の各事業、地域の貧困家庭児童に対する学力向上に向けた支援活動が認められ、03年から過去に3回、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)から表彰を受けている。
 草の根無償は、ブラジルでは99年から実施されており、NGOや地方公共団体等が在外公館に申請する。特に基礎生活の改善や「人間の安全保障」に重点が置かれ、地域住民の助けとなるような小規模のプロジェクトが対象となる。