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進まぬ国境警備補強計画=経済的理由で大半を先送り=人材も設備も劣悪なまま

ニッケイ新聞 2011年11月24日付け

 今年6月に発表され、ミシェル・テメル副大統領の管轄下にある国境警備補強プランが、当初の計画通りに行われていないと、23日付エスタード紙が報じている。
 ブラジルと南米諸国との国境は1万6800キロの長さに及び、麻薬密売者やギャングの巣窟とも目されているため、その警備はブラジルの優先事項の一つに数えられている。
 国境警備補強計画は、警備にあたる警察官の倍増、設備向上、担当者への特別手当の支給などをうたったもので、予算編成や支出を含む統括責任者に命じられたのがテメル副大統領だった。
 ところが、2011年の政府予算は15億レアル削減され、法務省が対策の大半は2012年から着手すると通達したため、連邦警察官は本日より、政府に実際に計画を遂行させるべく、抗議行動を開始する。
 抗議行動は国境やアマゾニア州の川沿いにある全ての警備拠点に及び、法務省前でのマニフェストも行われるが、警官組織代表のマルコス・ビンク氏は、政府は「我々を煙に巻こうとしている」と批判している。
 同氏によると、当初発表のプランとは裏腹に、警備拠点の設備は相変らず粗悪で、武器もひと世代前のもの、装備の不足は防弾チョッキにまで及ぶという。また、最悪の条件とされるアマパー州の拠点は、豪雨地帯である上、州都マカパーから700キロも離れた基地までの飛行機もなく、最低45人は配置されているべき警官の数が14人であるという。
 また、2014年までに14機導入される計画の無人飛行機(VANTS)は、今月やっと1機が実用化されただけ。現在21ある国境地域の警備拠点は49に増やす約束だが、現時点では一つも増設されてない。
 テメル大統領は22日、関係者を通じ、「経済的な理由によって遂行が遅れているが、補強計画は必ず実行する」との声明を出した。法務省も、計画実施は先延べされたが警備体制は維持されており、国境地域では6月以降、近年の年間平均の8倍にあたる100トンもの麻薬を既に押収したと語っている。
 だが、この国境警備対策の一部を担う陸軍が12年度の予算として10億レアルを要求しているのに対し、政府が国会に送った予算案は1億550万レアルなど、不安要素は少なくない。

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