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ブラジルは交通手段変革期=値上がりしても飛行機人気
ニッケイ新聞 2011年11月30日付け
この一年価格競争が続いていた航空運賃が2012年から値上がりするが、航空会社はCクラスの利用者を失わないための対策を講じていると、29日付エスタード紙が報じている。
経費高騰の中、2012年からの航空運賃値上げは避けられず、航空会社は、値段の高いチケットの適用を限られた時間帯のみとするなどの対策を講じる予定でいる。関係者によると、値上がりするのはピーク時の便と直前に購入する航空券がほとんどで、影響を被るのは、平日の早朝や夕方の便を直前に購入する仕事絡みの人が中心だという。
また、航空会社Gol社長のコンスタンチノ・デ・オリヴェイロ・ジュニア氏によると、同社は従来通り、60日前、30日前、21日前の購入者対象の早割チケット制やマイレージによる割引を継続するという。
さらに航空会社は、仮に値上げされた運賃を払うことになるにせよ、新興中流階級の人々の飛行機離れは起こらないと見ている。業界大手の幹部たちは「現在のブラジルはいずれの先進国もたどって来た交通機関の移行のときを迎えている。バスから飛行機に切り替えた顧客がバスに戻るなどということはありえない」と自信を見せている。
実際、通常1144レアルかかるリオ市〜セアラー州の12月分の往復航空券を3カ月前に590レアルで購入した女性は、バスなら3日の移動が3時間で済む飛行機を来年も利用するという。航空コンサルタントのアレマンデル・ペレイラ氏も「長距離旅行客には、寝ている間に到着し、家族とも長くいられる航空便の方がバスよりも好まれる」と語っている。