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「言うに言われぬ感動」=自宅分娩の赤子救出の消防士
ニッケイ新聞 2011年12月2日付け
マット・グロッソ州シノップで11月29日、22歳の女子青年が自宅トイレで子供を産み落としたが、駆けつけた消防が母子共に病院に運び、事なきをえたと同30日付G1サイトが報じた。
妊娠していたとは知らず、急に腹痛を覚えてトイレに行ったら赤ん坊が生まれたとの女子青年の供述については真否の程が不明だが、駆けつけた他の救急隊員が母親の後産などを手伝う間、家人が便器の中から助け出したという男児の世話をしたのは、消防士のエリジャ・フェルナンダ・フォンセッカさんだ。
胎盤などの汚れが残っていた男児のへその緒の処理などを行い、酸素吸入を行いながら病院に搬送する間も胸に抱き続けていたというエリジャさんは、自分自身も子を持つ身。自宅分娩の母子救出は初めてと前置きした上で、「言うに言われぬ感動」を味わったと述懐した。
救急隊員として、災害や事故でケガをした人や命を失った人は何度も見てきたエリジャさんにとり、生まれたばかりの幼子を胸に抱いた経験は、命そのものを預かったという実感を伴う特別なものだったようだ。