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サンパウロ市ヴィラ・カロンで殺人事件=フェイランテのナカマツ親子=金品盗らず、無言で発砲=怨恨による犯行か

ニッケイ新聞 2011年12月2日付け

 先月30日午前6時ごろ、サンパウロ市東部のヴィラ・カロン地区に住むパステル製造・販売業のナカマツ・アサト・カメコさん(70)と息子のナカマツ・ヴィセンテ・ヤスイチさん(45)が何者かにより銃撃されて殺された。1日付エスタード紙が報じた。警察は何らかの怨恨による犯行とみて捜査を開始している。

 目撃者らによると、犯人は何も言葉を発することなく、アルミニオ街の自宅からパステルを販売するためヴィラ・ゼリーナ区のフェイラに向かうためコンビに乗り込んだナカマツさん親子の頭をいきなり銃で撃ち抜いた。
 エンジンがかかったままのコンビは、そのまま家の前の広場を走り抜け、アリカンドゥバ通りのバス停留所に衝突し止まった。
 「コンビがガレージを出たところを見て、犯人は素早く立ち上がった」「犯行後、隣の通りで待っていた共犯とみられる黒い車のもとへ走り去った」との証言が寄せられており、被害者が所持していた448・75レアルはそのまま残されていたことから、怨恨の可能性が強いと見られる。
 目撃者によれば、犯人は白人、細身で年齢は19歳くらい、身長は約178センチ。灰色のストライプが入ったフード付きの白のパーカーを着ていたという。
 14年前、自身も子息を誘拐され殺害された経験をもつ沖縄系二世の大田ヨランダ慶子連邦下議は、ニッケイ新聞の取材に対し「激しい憤りと悲しみを感じる。残念ながらヴィラ・カロンだけではなくどこでも起きていること」と嘆いた。
 現在、数人の議員や判事からなるグループに所属し刑法の見直しを検討する委員会を開いており「この国の刑法はとても甘い。バンジードが再び犯罪を起こすような世の中ではいけない」と力を込めた。
 「選挙活動のさい、ヴィラ・カロンの日系人からも大きな支援を受けた。遺族宅を訪ね、何らかの支援を行いたい」と話している。