ニッケイ新聞 2011年12月2日付け
【パラー州ベレン発】トメアスー文化農業振興協会(乙幡〈おっぱた〉アルベルト敬一会長)と留安山(りゅうあんざん)トメアスー西本願寺(山田元〈はじめ〉寺院代表)は11月15日朝から、沼田行雄在ベレン日本国総領事、小島康三領事、武田イルダ清美トメアスー副郡長、坂口フランシスコ渡トメアスー総合農業協同組合理事長、海谷英雄アマゾニア日伯援護協会副会長ら来賓と105人の門徒参加のもと、トメアスー留安山に於いて恒例の移民開拓先亡者(852体)追悼法要と留安山本堂建立30周年記念法要を厳修した。
法要は厳かな越天樂が流れる中、男女二人ずつの子供たちの献花・献灯で始まり、浄土真宗本派本願寺南米教団ブラジル別院松峯慈晄総長が導師を務め、安中円諦開教使・山田元法務使、鈴木耕治・下小薗昭仁仏教学院研修生らが導師に唱和した。
その後、松峯慈晄総長が日語・安中円諦開教使がポ語で法話し、法要は厳かに終了した。
松峯総長の「法要ではトメアスーの皆さんと一緒に正信偈を読経したい」との要望に答えて、トメアスーの門徒らは11月5日、12日の午後3時より、初めて正信偈の合同練習を行い、当日の法要に備え二人を歓迎した。
住民の絶大なる協力もあって本堂改修工事は順調に終了し、本堂内部も松峯総長の指導のもと、仏教の本堂らしさを醸し出す雰囲気に生まれ変わった。
本堂建設以来、トメアスー留安山を支えてきた20年以上の報謝講役員や、以下の協力者に対し感謝状を贈呈した。【団体】トメアスー文化農業振興協会、トメアスー総合農業組合、トメアスー西本願寺報謝講【個人】永井三子、大根田恒晴、山田元、穎川幸雄、平水カオル、塩屋昭雄、角田修司、松永年四雄、岸ルイ一司の9氏。
翌16日にはトメメアスーカントリークラブにおいて婦人会との懇談会を開き、「今あなたに宗教は必要ですか」をテーマに、松峯総長が語りかけ、質疑応答した。
留安山報謝講では、寺院の運営には仏教婦人会発足なくして発展はないとの結論に達し、トメアスー婦人会に呼びかけ、南米教団別院松峯総長の来訪を期に、今回の懇談会開催となった。
「家庭内の諸問題を相談出来る場所が欲しい」「ぜひ女性が集まり相談し合える場所を設けて」などの意見が多数を占め、これを機に同報謝講の活発化が期待されている。(パラー州通信員=下小薗昭仁)