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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年12月2日付け

 「古新聞を配達するとは何事か!」。1日付け本紙に関して読者のみなさんから、そんなお叱りの電話を多く頂いた。まったく申し訳ない。中味は新しい記事を印刷したいつも通りの新聞だが、外注している印刷所が何を間違えたか古い紙に印刷してしまったために起きた失敗だ。すでに1年は経ったような黄ばみ具合で、確かに古新聞の〃風格〃がある。編集部としては四苦八苦して新情報を集めているが、紙が古ければ古新聞に・・・▼思えば、日本では有り得ないようないろんな失敗が起きている。以前、印刷所で黒インクが足りなくなって勝手に赤を混ぜてしまい、紙面が赤っぽくなって読者から「アカ新聞」と揶揄されたこともあった。別のブラジル人が経営する印刷所に頼んでいた時は、まるで鏡に映したように紙面が左右逆になってしまい、「僕はレオナルド・ダビンチのように鏡面画像は読めないよ」と博識な読者から言われ、そのインテリ振りに驚かされた。もちろん値段、日時、人名など記者の人為的な単純ミスも多い▼もっとも多い苦情は配達だ。配達を委託しているトランス・フォーリャ社には口を酸っぱくしてレクラマしているが改善しない。かといって他に全伯規模で配達網を持つ会社はない。サンパウロ市内で弊社が雇うモトケイロも「バイクが壊れた」「事故に遭った」と勝手に休んでしまう▼物事がうまく行かない様を「二階から目薬」というが、サンパウロ市セントロのイタリアビル(ブラジル第2位の高さを誇る)から目薬を点しているかのようなもどかしさを感じる。ご愛読頂いている読者諸兄にはまったく申し訳ないが、伏してご理解をお願いしたい。(深)