ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

IMFのラガルド専務理事訪伯=新興諸国への期待込め=危機対応が出来た国と賞賛=支援は発言力拡大が条件

ニッケイ新聞 2011年12月3日付け

 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が訪伯し、国際的な金融危機の影響は全ての国に及ぶが、ブラジルは危機への対応が出来ていると賞賛したが、目的だった欧州への支援要請は、マンテガ財相のIMFでの発言力拡大を条件にとの言葉で、具体的な実を手にできなかったと2日付伯字紙が報じた。

 ブラジルが国内需要促進のために新たな減税処置などを発表した1日、ジウマ大統領やマンテガ財相らと会談したラガルドIMF専務理事は、文字通り空手で財務省の建物を後にした。
 ベネズエラ訪問直前のジウマ大統領や新経済政策発表直後のマンテガ財相、経済基本金利(Selic)引下げを行ったばかりのトンビニ中銀総裁の順で会談したラガルド氏は、先進諸国中銀が11月30日に発表した危機対策は不充分で、新興諸国の支援が必要と訴えたようだ。
 先進諸国中銀の危機対策は、市場に出回る資金量の増加と欧州諸国の銀行救済を目的としたもので、30日の証券市場が軒並み2〜4%台の高値を記録した事は1日付伯字紙も報じたが、六つの国や地域中銀が示した対策だけでは、既に景気後退(リセッション)入りしたともいわれる欧州の経済危機に終止符を打つのは不可能で、更に突っ込んだ対策が必要というのがIMFの考えだ。
 しかし、従来なら先頭を切って資金拠出を申し出るはずの欧米諸国が危機の真っ只中という状態は、IMFの資金繰りや具体的な援助策にも影響せざるを得ない。
 そこで頼みとしたのがブラジルなどの新興諸国。ラガルド氏は、「危機が拡大して新たな局面を迎えた時は、欧州以外の国からの支援も必要となる」とした上、「経済危機と無縁で済む国はないが、ブラジルは危機への対応ができている国の一つ」と賞賛した。
 これに対しマンテガ財相は、欧州支援の用意はあるが、ブラジルからの支援は、欧米諸国も資金を拠出する事とブラジルや新興諸国のIMFにおける発言力拡大を条件とするとラガルド氏に申し入れており、具体的な拠出については来年2月のG20前に持たれるBRICS5カ国の会議で話合うとの見解を示した。
 ブラジル側の懸念は、ユーロ圏の首脳がお膝元の危機解決のためになかなか乗り出そうとしない事。対応の遅れは危機の深刻化を招き、その影響が更に拡大すると見るマンテガ財相は、欧州の回転資金は底をついた状態だから、ドル注入などの先進国中銀の対策は的を得ているが、逆を言えば状況はより複雑になったと分析している。
 迅速な対応の必要はラガルド氏も充分認識しており、2日朝のグローボ局の取材に、関係諸国が一致し、迅速かつ包括的な対策を採らなければ、ユーロ圏は喪失の時代を迎える危険に直面していると答えている。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button