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パラー州3分割投票近づく=行政やインフラの利点も=ベレンが強硬に反対

ニッケイ新聞 2011年12月8日付け

 パラー州3分割の承認を問う州民投票を11日に控え、パラー州民の間では是非をめぐる議論が絶えない状態だ。
 パラー州の分割案は数年前から出ており、今年の5月に上院で可決された。同案によると、州都ベレンを含む北東部の17%が新しいパラー州、南東部の25%がカラジャース州、ほぼ半分の58%を占める西部がタパジョース州となる。
 パラー州分割案は、地域を分断することで行政や警察の目を届きやすくすることや、公的投資を行いやすくするために出てきたもので、その観点で分割を賛成する声もある。タパジョース州では州都予定のサンタレンでさえ現州都のベレンから800キロも離れており、これまでは、学校や病院、公共交通、警察や産業発展のためのインフラが行き届いていなかった。また、カラジャース州の殺人事件の発生率は、新パラー州、タパジョース州の3倍の高さで、治安対策の強化が望まれる。
 また、フォーリャ紙によると、州が分割されると、州加盟ファンド(FPE)が得やすくなるという。2010年の受給額はパラー州全体で29億レアルだったが、分割後はカラジャース州11億レアル、タパジョース州22億レアルの受給が見込まれるという。
 だが、新たな2州にFPEが支給された場合、他州の受給額は減額し、パラー州だけでも3億レアルの受給額減少が見込まれている。
 また、河川や森林の87%、鉱物資源の85%を失う新パラー州では、ベレンとその周辺部の商業関係者が、分割によって地域の商業活動が衰退することを強く危惧している。
 そうした背景の中、ダッタフォーリャが10月と11月に行った調査によると、パラー州全体の分割反対者は10月に58%、11月に62%で、賛成者を上回っている。11月の調査では、TVやラジオでの州分割キャンペーンまで行われたにも関わらず、反対のパーセンテージが上昇してしまった。
 だが、内訳で見ると、強硬に反対しているのは新パラー州の住民たちで、実に80%以上が反対の意向を示している。その一方、タパジョース州、カラジャース州の住民は分割案に肯定的で、カラジャース州では10月84%、11月78%、タパジョース州では10月77%、11月74%が、自分たちの州の分離独立を望んでいる。なお、新3州の人口構成は、新パラー州460万人、カラジャース州160万、タパジョース州130万人で、数の上では新パラー州が有利である。