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鉄鉱石の貨物船に亀裂=安全考慮し深海部へ搬送
ニッケイ新聞 2011年12月8日付け
マラニョン州沿岸で破損が認められた鉄鉱石積載の大型貨物船が、6日に安全な場所に移されたと7日付伯字紙が報じている。
この貨物船はブラジルの資源開発企業ヴァーレ社が韓国のSTXパン・オーシャン社からチャーターしたもので、世界最大級の全長361メートル。同号は3日にマラニョン州サンルイスのポンタ・デ・マデイラ港で鉄鉱石75万トンを積み込み、4日にオランダに向かう予定だったが、3日夜船尾近くに亀裂があるのが発見されたため、出発を取りやめ、同港に停泊中だった。亀裂は2カ所で4メートルに及び、船内備え付けのポンプの許容量以上の水が入り込んだという。
亀裂の原因は明らかにはされていないが、沈没の可能性もあるため、韓国から技師も呼んだが、ポンタ・デ・マデイラ港では積み込んだ鉄鉱石を下ろすための場所が確保できないため、貨物船は、港から11キロ離れより水深のある所へ搬送された。
国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)とマラニョン州の環境局は、搬送に先立つ6日朝10時40分に検査を行い、鉄鉱石や船の燃料漏れなどがないことを確認した。大型船の移動は小型船4隻で行われ、80人の作業員が動員された。
なお、大量の鉄鉱石が海中に投じられた場合の危険性について、サンパウロ総合大学のルーベンス・フィゲイラ教授は「鉄鉱石自体が海水を汚染することはないが、海中に溶け出した鉄分が海洋動物のカルシウム摂取などを妨げる可能性がある」として、生態系破壊を指摘した。