ニッケイ新聞 2011年12月8日付け
サンパウロ日伯援護協会(菊地義治会長)は11月26日午前、援協本部5階の神内ホールで「第34回地区組織委員総会」を開催し、サンパウロ州各地から53人が出席した。
挨拶に立った菊地会長は「今年で援協は53年目を迎えたが、今後は福祉から医療に事業をシフトしていく。地区委員の皆さんの意見を取り入れながら重要な事業を推進していきたい」とのべた。
総会は与儀昭雄地区組織委員長が議長に承認され、議事が進行した。11年度の活動報告によれば、10月末時点の会員数は1万2042人。前年度から729人が退会したことを受け、来年度の活動計画として事業説明会の積極的な開催、会員募集への注力が挙げられ、目標の会員獲得数として1500人が掲げられた。
また与儀委員長は、来年度から会費を80から85レアルへ引き上げることが理事会で承認されたと報告、「集める会費で何が行われているかの説明をお願いしたい」と要請した。
続いて興津正治委員(モジ・ダス・クルーゼス)から優秀委員が発表された。新規会員勧誘数はサント・アンドレーの榎本芳子、池辺エレーナ両委員の13人がトップ。その他、12人で二位の奥田マルコス委員(タツアペ)ら8人に記念品が贈呈された。
会費集金は団体でモジ・ダス・クルーゼスの壇定則委員の134件、個人では前田徳英委員(グアルーリョス)の125件がトップだった。
今年度は6人の委員が死去したほか、西沢ヨウ(68、ポンペイア)、薬師寺博道(69、アチバイア)、岡村武(83、タグアチンガ)各委員が退任。新たに5人の地区委員が就任した。
続いて与儀委員長から会員資格区分制の導入について説明があった。今年4月に改正された定款では会員に3つの区分(正会員、賛助会員、名誉会員)があると定められており、現会員に正会員、賛助会員のいずれかを選択してもらう必要があるという。
正会員には選挙権、被選挙権があり、賛助会員にはない。来年10月の選挙に向け協力が求められた。
その後山下忠男、毛利連両副会長がそれぞれ、援協の事業の現状や来年度の予算・事業計画、サンミゲルアルカンジョ病院の建設状況について説明。レジストロの関寛治委員(99)の乾杯の音頭で懇談昼食会が催され、お開きとなった。
ノーバ・カショエリーニャの袰田重夫、成田ヨシミチ両委員は「一世は協力しようという意思があるが、二、三世は皆保険に入っているので支払う会費が見合うかどうか計算して入らない」と話していた。同地の会員は約20人で、一世は徐々に少なくなってきているという。
また、「80歳以上の高齢者、特に寝たきりになっている人からなかなか会費を集められない」と話し、会費徴収の難しさも伺われた。