ニッケイ新聞 2011年12月14日付け
2012年地方選挙まで10カ月を切ったが、サンパウロ市長選候補には新人が多く、サンパウロ市民は誰を選べばよいか決めあぐねている。一方、ダッタフォーリャの調査では、ルーラ前大統領が推薦する人に投票という人は48%に上り、労働者党(PT)がサンパウロ市奪還の可能性もありそうだ。
11日付フォーリャ紙によると、7〜9日にサンパウロ市民1092人を対象に行われた調査では、次の市長には誰を選ぶかとカサビ市政の評価の2点が問われている。
新市長候補名を挙げての質問は、ブラジル民主社会党(PSDB)の候補別に5回繰返された。元市長で前州知事のジョゼ・セーラ氏出馬なら、支持率18%でトップに立つが、それ以外の人物の時は、ブラジル共和党のセルソ・ルソマノ元下議が20%で常に首位。PTのフェルナンド・ハダジ教育相は、どの場合も3〜4%の支持率で終わった。
13日付フォーリャ紙によれば、知名度が一番高いのは98%のセーラ氏で、ブラジル共産党のネッチーニョ・デ・パウラ氏95%、ルソマノ氏88%、労組代表のパウリーニョ・デ・フォルサ(民主労働党)83%、社会大衆党のソニーニャ氏73%を境に知名度は落ち、セーラ氏以外のPSDB候補やハダジ氏らの知名度は32〜55%に留まった。ルソマノ氏はPSDB候補がセーラ氏の時も16%の支持を得、現時点では最も安定した候補だ。
一方、市民からの拒絶率を見ると、セーラ氏の35%とネッチーニョ氏の32%が突出し、他の候補は8〜17%。
ジェラウド・アウキミン州知事らはPSDBが独自候補を出す事を主張しているが、新人で支持率が最も高かったブルーノ・コーバス環境局長ですら6%だから、候補選定を急ぎ、市民にアピールする工夫が必要だ。
また、市政評価は、悪い/最悪40%、普通38%、良い/最良20%で、9月の良い/最良24%より低下。良い/最良が61%を記録し、マルフ時代の57%を超す最高記録を達成した2008年とは雲泥の差だ。
カサビ市政の評価が落ちた事は、カサビ氏推薦の候補には投票しないという人が49%との数字にも表れ、新設の社会民主党(PSD)候補や、連立成立の場合のPSDB候補らが逆風に遭遇する事も意味する。
PSDB内では、PSDの独自候補擁立を避ける意味でセーラ氏擁立を試みる動きもあるが、同氏は一度不出馬を表明しており、拒絶率もトップだ。この状況では、ルーラ前大統領の支持を得、今後の知名度向上が望めるハダジ氏とPSDB候補が張り合うのは難しいとも言えそうだ。
なお、ルーラ氏の影響力はいや増し、同氏推薦の候補に投票という人は48%。候補者名を挙げずに誰に投票するかを聞いた場合の支持率は、マルタ氏8%、カサビ氏3%となっている。