ニッケイ新聞 2011年12月14日付け
サンパウロ州グアルジャーに建設中のジュルバトゥーバ浄水場の工事が遅れ、操業開始は2012年4月になると、10日付伯字紙が報じている。
この浄水場はヴィセンテ・デ・カルヴァーリョ地区に建設中で、2009年の見積もりは7500万レアルだった総工費は8800万レアルにはね上がっている。投資はサンパウロ州水道局(Sabesp)によるもので、司法当局がサントス周辺の完全浄水を強く求めていたが、夏前の完成はかなわなかった。
同地区では2010年夏に、住人や旅行者の間で1万人もの下痢患者が発生し、水質が疑問視されたが、原因は明確にはされず、Sabespは「水に異常はない」としたものの、州衛生局の命令に従い、現在のジュルバトゥーバ浄水場に臨時の浄水装置を設置した。同地区は海が近いため、浄水処理をしない水は、塩素とフッ素で処理する必要がある。
サンパウロ州衛生局の要望は下痢の原因は水との判断によるもので、浄化システム担当理事のルイス・パウロ・デ・アルメイダ・ネット氏は「保健省には従うが、海岸で売られる飲食物に関してはこちらではどうにも出来ない。下痢の原因をいうなら疫病調査も必要だ」とし、不満の意を示している。
またネット氏は、工事の遅れは、資材供給者が契約期日を守らないためだとしている。
また、ジュルバトゥーバ浄水場以外に、現在もうひとつの水道工事計画が進行中だ。2012年4月に操業開始予定のマンブー・システムがそれにあたり、ペルイベ、イタニャエン、モンガグアー、プライア・グランデ、サンヴィンセンテの5市への水の供給量が、現状の毎秒800リットルから1600リットルに増えるという。
また、Sabespでは、まだ契約に至っていないものの、イタニャエンではもうひとつの工事も予定しており、それが実現すると毎秒3200リットルの水の供給が可能になるという。また、クバトン浄水場の改良工事には2千万レアルが投じられ、こちらはほぼ工事が終了。Sabespはこれら一連の工事により、同地域での水不足の解消を期待している。
Sabespによると、究極的な目標はサントス周辺部と南部海岸地域に上下水道を100%完備させることで、その期日は2018年を目指しているという。