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リオで賭博の一斉摘発=アニージオ容疑者ら逃す=切れないサンバ学校との癒着

ニッケイ新聞 2011年12月17日付け

 15日にリオ市警がジョーゴ・ド・ビッショ(賭博の一種)の一斉摘発を行い、44人が逮捕されたが、エスコーラ・デ・サンバの名門校ベイジャ・フロール名誉会長のアニス・アブラアン・ダヴィド(通称アニージオ)ら4人の主要人物はまだ捕らえられていないと、16日付伯字紙が報じている。
 リオ市警は、1年前に同州山間部のテレゾポリス市の商人からの依頼を受けて以来、捜査を進めていた。警察によると、今回の事件では、仕掛け人が賭けた人やその額を見破ることが出来る電気システムを導入して賭けの勝者を制限したことや殺人事件への関与、公職者の汚職、マネー・ロンダリングの容疑がもたれていた。「賭博によりひと月に数千万レアル単位の金が動いていた」とリオ市警のマルタ・ロシャ警部は語っている。
 今回の摘発は630人の警官と120人の警部が参加し、賭博に関わった44人が逮捕された。その中には元テレゾポリス市長のマリオ・トリカーノ容疑者も含まれている。また、逮捕者は同州内のみならず、バイーア州、ペルナンブーコ州、マラニョン州にも及んでいる。
 だが、15日の摘発では、賭博の主要仕掛け人(ビシェイロ)のひとりと見られている、アニージオ容疑者は逮捕できなかった。警察は15日朝6時から、コパカバーナに面したアニージオ容疑者の高級アパートに上空からヘリコプターで乗り込んだ。アニージオ容疑者は不在だったが、警察は同容疑者宅から11万5千レアルの現金と8台の高級車や宝石類や書類を押収した。
 同様に、エスコーラ・デ・サンバのインペラトリス・レオポルディネンセ名誉会長のルイス・パシェコ・ドゥルモンド(通称ルイジーニョ)容疑者ら、他の主要ビシェイロ3人の行方もつかめていない。
 エスコーラ・デ・サンバとジョーゴ・ド・ビッショは1930年代から関係があるといわれ、2012年のカーニバルに参加するスペシャル・グループ13校のうち7校にビシェイロがいるといわれている。アニージオ容疑者は1993年と2007年に賭博容疑で逮捕され、93年には殺人事件への関与により懲役6年(96年に出所)の実刑判決も受けていた。