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11月の雇用創出落込む=今年最悪で前年比69%減=景気減速がここにも表れる=年間目標達成は絶望的に

ニッケイ新聞 2011年12月22日付け

 労働省が20日、11月の雇用創出は前年同月比69%減の4万2735で今年最悪、11月としては、マイナス4万821を記録した2008年11月に次ぐ不振記録だったと発表したと21日付伯字紙が報じた。

 11月に新たに正式雇用契約を結んだのは162万422人で、解雇された157万7687人との差が4万2735。10月の雇用創出12万6千と比べると66%減となっており、雇用増にもブレーキがかかってきた事がうかがわれる。
 クリスマス商戦を控えた時期だけに、雇用が最も増えたのは、小売部門の9万9932を含む商業の10万7920で、金融その他のサービス業の5万3999も全体を後押しした。
 一方、欧州経済危機に伴う景気減速や季節要因などで雇用減となったのは、農業、製造業、建設業、教育や製造業絡みのサービス部門。ブラジルは欧州への依存度がBRICS諸国中最も高く、経済危機の影響大でここ数カ月躍動性喪失と評価される製造業は5万4300、農業と建設業も4万2300と2万2800の雇用減を記録した。
 製造業での雇用は年末商戦向けの増産を終えた11、12月に落込むのが普通だが、白物家電への減税やトラックなどの排ガス規制強化前の駆込み需要に対応するため、一部で増産継続の報道もあっただけに、予想以上の雇用減ともいえる。
 11カ月の累計は232万の雇用創出で、291万8549だった昨年同期比で20・4%減。解雇者が増える12月も含む12カ月の累計は190万571で、昨年同期比5・23%増となっている。
 下半期の雇用創出は経済減速化と輸入増加でスピードが落ちており、労働省は9月に年間雇用創出目標を300万から270万に修正したが、今年の年間雇用増は200万を割る可能性も出てきた。経済成長率7・5%を記録した昨年の雇用増は253万だった。
 11月の新規契約数と解雇数はどちらも11月としては最高記録だが、自治体毎の実績では、雇用増加の最多はリオの1万3335で、以下、サンパウロ市1万588、レシフェ6176、サルバドール5469、ベロ・オリゾンテ5208と続く。
 雇用減少が2千超だったのはペルナンブコ州ペトロリーナの2847やバイア州ジュアゼイロ2364で、1千以上減少は、リオ・ダス・ペドラス1923、ノヴォ・オリゾンテ1763、フランカ1688、ピタンゲイラス1588などサンパウロ州11市を含む15市。経済の中心が工業のサンパウロ州には雇用減少上位50市中36市が集中し、サンパウロ市が雇用創出1位の座を譲ったのと軌を一にする。
 州別実績では、リオ、南大河、サンタカタリーナ、ミナス、パラナなどの21州で雇用が増えたが、サンパウロ州では2万9145の雇用減を記録した。