ニッケイ新聞 2011年12月23日付け
2011年における各月15日までの拡大消費者物価指数(IPCA—15)上昇率が6・56%となり、政府の目標上限値6・5%を現時点で上回っていると22日付伯字紙が報じている。
12月のIPCA—15は0・56%の上昇で、11月の0・46%を上回り、0・7%を記録した5月以降最高の数字となった。特に、4・36%上昇した肉類をはじめ、食品類の値上りが影響したとみられる。
だが、信託会社Icapブラジルの経済部長イネス・フィリパ氏によると、同社の最終的なIPCA予測も12月0・55%、2011年6・56%ではあるものの、12月を0・5%に抑えれば、11年のIPCAを6・5%にするのは不可能ではないという。
またエスタード紙によると、南米投資信託経済部長のニュートン・ローザ氏によると、2012年は、失業率は5・8%から6・5%にあがるものの、雇用率の高さと最低賃金の14%調整などで、消費者の購買力は低所得者層を中心により高まり、国内消費を促進すると見られている。同氏は、コモディティ価格低下など、国際的なデフレ傾向でブラジルの物価上昇は抑えられるだろうが、国外の金融危機の影響による経済減退は続くとの見方もしている。
一方フォーリャ紙も、最低賃金の上昇と中央銀行による公定歩合の引き下げによる投資促進などがありながらも、2012年のインフレ率は5・5%程度になるだろうと経済学者たちは予測していると伝えている。
ジウマ大統領も16日の会見で、インフレ率の具体的な予測は避けつつも「物価指数の上昇曲線は緩やかになると確信している」と語っている。