ニッケイ新聞 2011年12月27日付け
65年前の勝ち負け抗争にスポットライトが当てられた1年だった。ブラジル映画『Coracoes Sujos』(国賊、ヴィセンチ・アモリン監督)が完成し、先行上映会が7月7日晩、パウリニア映画祭の開幕式として行われた。日本からは主演の伊原剛志が来て伯字紙各紙が競って扱うなど、一般公開前にも関わらず大きな話題を呼び、期待が高まっている。奥田瑛二ら有名俳優が参加している。本格的な上映は新年3月以降で、コロニア向けの先行上映会も検討されているという。
脇山事件の真相に迫った証言映画『闇の一日』(IMJ社、奥原ジュン監督)の上映会が12月14日に文協大講堂で行われた。奥原監督は「ブラジルの歴史の一部として勝ち負け抗争を捉えなおす必要がある」と強調した。上映に先立って、11月18日にパウリスタ法律学校(EPD)で行われたシンポ「戦後日系社会への視点」で外山脩さんは長年取材してきた成果として「臣道聯盟はテロ組織、秘密結社と65年間も思われてきたが、まったくの冤罪であることが分かった」と結論付けた。