新年特集号
ニッケイ新聞 2012年1月1日付け
平成24年(2012年)の年頭に当たり、ブラジル在住の日系人及び日本人の皆様に謹んで新年の御挨拶を申し上げます。また、昨年、東日本大震災に際し、皆様からいただきました多くの温かい激励や支援に深く感謝申し上げます。私は、被災地福島県の出身者として、困難に打ちひしがれた人々が皆様からの応援にどれだけ励まされたか大変よく分かりますので、改めてお礼申し上げます。
さて、昨年来続くいわゆる「アラブの春」の激動から欧州におけるユーロの危機に至るまで、今日、世界は様々な課題に直面しています。言うまでもなく、我が国の当面の課題は、国際社会の支援に応え震災からの復興を実現することです。
一方、私は、これにとどまらず、激動する国際社会の中で、我が国の国力を更に高め、そして国益を最大化していくこと、同時に、困難を克服するための国際社会の取組みに最大限の協力・貢献を行っていくことこそが、外交の使命であると考えています。
昨年10月、第52回日系人大会出席のため来日された海外の日系人の皆様に対し、私は、日本は日本人の誠実さと最先端技術で必ずや復興を実現することをお約束しました。本年はまさにその実行の年です。
日本が困難を克服し、力強く立ち直っていく姿を世界に発信することで、国際社会における日本の存在感を高めたいと思います。そして、再生した日本が国際社会の繁栄に貢献することができるよう全力を尽くしてまいります。
ブラジルとの間では、官民様々なレベルでの往来が活発しており、両国間の友好関係は着実に深化・緊密化しています。現在、ブラジルはめざましく発展し、国際社会でも重要な役割を果たしています。私は、今後とも、日系社会の皆様とともに、皆様のお力添えを得て築き上げられた一世紀以上にわたる歴史的な友好関係を基礎としつつ、ブラジルとの経済関係及び文化交流等を一層深めていけるよう全力で取り組んでいく決意です。
最後に、皆様の御多幸と一層の御繁栄を心から祈念いたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。