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頑張れ日本!=日系社会から応援メッセージ!

新年特集号

ニッケイ新聞 2012年1月1日付け

何もできなかったこと悔しい=東テレーザ=47歳、 二世、プレシデンテ・プルデンテ市=地震専門家

 主人が「おい、来てくれ」と大声で呼ぶので起きてテレビの前に行きました。押し寄せる津波と飲み込まれる町を見て、祖父や、母が生まれた国、自分が関係するルーツをなくしたような気持ちになりました。
 地震の専門家としてグローボに呼ばれ、震災後数日間はとても忙しかった。ブラジルでは「日本人は皆お金持ちだ」と思っているので、テレビに出演するときはできるだけ「援助を送りましょう」と伝えました。
 日本で地震を学んできただけに、3月11日の発生時にブラジルにいて何も出来なかったことが悔しくてなりません。危険な場所だから、近々起こるかもしれないと思っていた。日本の伝統的な文化がなくなってしまうことが悲しいです。
 原子力発電のゆくえを含め、世界中が日本の動きに注目しています。これからも日本を応援し続けます。

若者よ、国を飛び出そう!=藤間芳之丞=79歳、大阪出身、藤間流日本舞踊学校校長、サンパウロ市在住

 若者よ、国を飛び出そう! 私は23歳の時、踊りの心だけを持って単身ブラジルへわたった。飛行機で5日もかかった。女性が一人で海外というだけで日本ではニュースになったっけ。日本の伝統を日本国内だけで広めていても意味がない、そんな信念が私の中にあった。
 東日本大震災の被害の大きさは想像もつかない。今まで何十年も住んできた町が思い出ごとなくなって悲しむ人もいるだろう。でも、日本の国内全てが被災したわけではない。
 体も動かなくなるお年寄りには難しいかもしれないが、若者はこれからだ。大学を出たら皆がサラリーマンになれる時代はもう終わった。若者よ、失うものはないはず。自分の誇れるものを一つ見つけて、それにかけて狭い日本を飛び出してはどうか。

心から復興を願っている=白石一資=76歳、二世、アラサツーバ在住、ノロエステ連合会長

 テレビで震災の映像を見た時、気の毒で言葉が出なかった。15メートル以上の波が人や建物を飲み込む様子はただただ恐しく、慰める言葉も見つかりませんでした。親を亡くした子供、子を亡くした親、多くの家族が破壊されました。
 滋賀県に息子が住んでおり、すぐに連絡して無事を確認しました。ノロエステ地方でも義援金を集めて、日本に贈ることができました。あれだけの災害に対して私達がしたことは少ないが心から贈ったものです。
 日本人は建てなおしてくれると信じています。立派に復興することを願っています。

私達の目はいつも日本に=中川正光=75歳、熊本出身、パラナ州ロンドリーナ市

 ブラジルに暮らしているが、我々も日本人。気持ちを届けたくて、何とかアジューダしたくて、それでも寄付しか出来なかった。
 福島県の原子力発電所が何といっても厄介で、これからも危険な状態が続くでしょう。今は大変だろうけど日本人だから元に戻せると思う。
 私の父は戦争を経験しながらも今年で101歳を迎えることが出来ました。あの悲惨な戦争からも立ち直り、それ以上に発展を遂げました。いつもブラジルから見ています。私達の目はいつも日本に向いています。