ニッケイ新聞 2012年1月3日付け
リベルダーデの風物詩『第41回餅つき祭り』が大晦日の午前、サンパウロ市リベルダーデ広場で開催された。開始以来初の雨にたたられ肌寒い日となったが、広場には長蛇の列ができ、2万袋の紅白餅と3千食の雑煮が振舞われた。同祭を主催するACAL(リベルダーデ文化福祉協会)の池崎博文会長は「来年は一層この街を盛り上げていきたい」と抱負を語った。
もち米は各日系団体・企業の寄付で40俵(2400キロ)を用意。ラジオ体操の会員らが前日から準備した餅が配られ、お雑煮を待つ列は100メートル以上に。
午前10時半から各共催団体の代表を迎えて盛大に餅つきが行われた。大部一秋在聖総領事夫妻のほかジルベルト・カサビサンパウロ市長も訪れ、現地メディアもカメラを構えて賑やかにうすを囲んだ。
もち米から熱い湯気が立ち込める中、赤い半被を着た来賓達は慣れない手つきで杵を振るい、周りからは「ヨイショー、ヨイショー」との声が響いた。
会場では南米大神宮が設置する「茅の輪くぐり」で厄病を祓い、同神宮の祭壇前では「paz」「amor」などの願いを書いた玉串を奉奠した。
来賓一行は東洋会館へと場所を移し、年越しを祝った。日伯両国歌のほか「蛍の光」「移民送別の歌」「一月一日の歌」を合唱した。
大部総領事は「東日本大震災、原発事故と不幸に見舞われたが、皆様から真心の連帯を感じた年だった。12年は希望の年にしたい」と明るく挨拶した。
鏡割りが行われ、菊地義治援協会長の音頭で乾杯。つきたての餅が入ったお雑煮を味わった。
友人と訪れた浅岡ミツエさん(77、二世)は「毎年来てます。幼い頃から母が作ってくれたお雑煮に似てあっさり。これがないと年越しした気がしません」と笑顔で話していた。