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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2012年1月3日付け

 上塚周平の一句「ブラジルの初夜なる焚火祭りかな」でお馴染みだが、笠戸船が着港したさいフェスタジュニーナを祝って火が焚かれており、移民は自分達の到着を祝って行われていると勘違いしたという。
 新年号で紹介した沖縄出身の笠戸丸移民・渡久地政人氏の子孫の集まり。ポ語しか話せない息子は「父はそう話していた」とこのエピソードを紹介した。
 たった一人で渡った当地に自分の血を受け継ぐ大家族が形成された今、政人氏はどんな気分で天国にいるのだろう。きっと誇らしく思っているに違いない。
 息子のアルベルトさんは「沖縄文化はブラジルで消えつつある。日系人はブラジル社会に融合していく必要がある」と見解をのべながらも、笠戸丸移民の子供だということの「誇り」が言葉の端々に出ていた。
 祖先を偲ぶ会を今後定期的に開くという渡久地家。日語を解さなくても、彼の足跡は後世まで語り継がれていくのだろう。(詩)