ニッケイ新聞 2012年1月4日付け
南パラナ福岡県人会(井本ラウル会長)は11日、クリチーバ市内の教会で恒例の忘年会を開催し、パラナ州各地から300人以上の参加者が訪れた。
おにぎりやシュラスコ、寿司の婦人会手製の料理が並び、ロンドリーナの三味太鼓「JISHIN」の発表、ビンゴ大会で盛り上がった。
忘年会の他のメインイベントは90歳以上を対象にした高齢者表彰と故人の顕彰。90歳を迎えた別府ヤスユキさん(福岡県旧浮羽郡吉井町)と井本スミコさん(二世)が高齢者表彰を受けたほか、故前田猛さんに名誉賞が贈られ、出席した家族に記念プレートが手渡された。またスライドの発表で3人の人生が紹介された。
別府さんは副会長を長年務めるなど30年以上同県人会の発展に尽くし、現在は名誉会長。上野アントニオ氏の父であり同県出身の米蔵さんと共に州内の福岡県人を集めて回るなど、同県人会の発足に力を注いだ。
前田さんはカストロの市会議員を務め、日系社会だけでなく、地元社会に広く貢献したことが紹介され、現在多くの孫、曾孫に恵まれたスミコさんは夫、家族を見守り常に支えてきた母親としての在り方が称えられた。
井本会長は「特別な活動を行った人だけでなく、困難を乗り越えてきた全ての人生の成功者を表彰していきたい。こういった人達の存在を忘れないようにしたい」と表彰の意義を話していた。
多くの来場者で賑わった忘年会は午前10時から開始され、午後8時まで盛り上がりを見せた。来場者によって集まった食品や衣類、玩具など1トン以上の寄付の品は会場となったノッサ・セニョーラ・アパレシータ教会へと寄付された。(長村裕佳子クリチーバ通信員)