ブラジル国内ニュース(アーカイブ)
旅行者の少年締め出す=黒人に対する人種差別か
ニッケイ新聞 2012年1月5日付け
飲食店の従業員が、スペインからの旅行者である6歳の黒人の少年を人種差別的な観点から締め出した容疑が生じ、サンパウロ市市警が3日から取り調べをはじめた。4日付伯字紙が報じている。
少年の母親であるクリスチーナさん(本人の希望で苗字は未公表)の訴状によると、少年は2年前にエチオピアから養子に迎えた子供で、12月17日から、夫を加えた3人でスペインのバルセロナから親類のいるサンパウロ市を訪れていたという。
来聖中の30日、イビラプエラ公園を訪れた帰りにサンパウロ市南部パライーゾの料理店ノンノ・パオロに入った際、両親が少年を座席に置いてセルフ・サービスの食事を取りに行っていたあいだに少年が行方不明になった。大慌てで外を探し回ったところ、ひとつ先の通りで泣きながら立っていた少年をみつけたという。
クリスチーナさんが子供に話を聞いたところ、少年は「従業員が腕をつかんで追い出した」と語ったという。それを聞いた少年の祖母が抗議に出向いたところ、料理店の従業員は横柄な態度で「通りで物乞いをする子供と間違えて追い出してしまった」と答えたという。少年はポルトガル語を話せなかった。
この件は少年の叔母がネットで告発したため、世間の関心が大きなものとなったが、ノンノ・パオロ側は弁護士を通し、「少年が親を探して自ら外へ出て行った」「人種差別は行っていない」と反論している。クリスチーナさんらは2日にスペインに帰国したが、少年は「僕の前ではもうこのことを話さないで」と頼んだという。
この件が人種差別を禁じる条令第8条「公的な食事の場での来店拒否」に該当すると判断された場合は、懲役3年の刑が科されることになる。