ニッケイ新聞 2012年1月5日付け
クリチーバ日伯文化援護協会(石井ジョージ会長)は12月11日、ニッケイ・クラブで忘年会を開催し、約300人が来場した。会場では来場者参加で搗いた30キロの餅がふるまわれたほか、持ち寄りの手料理、州都市開発局クリチーバ大都市圏コーディネーターの原ルイさんが提供した蟹120匹が好評を博した。
若い参加者ら相手に昔の経験を語っていたのは、クリチーバ初の日系市議を務めた松田信照さん(83、二世)。「コロニアの苦労や面白い話をして歴史を伝えていかなくては。若い人も良く話を聞いてくれる。三世、四世の世代は覚えが早い」と感心していた。
築出富美子さん(ちくで、熊本、92)は息子夫婦と共に車イスで参加した。搗きたての餅を楽しみ、「日本で鏡餅やかき餅を作ったのが懐かしい」と思い出に浸った。
石井会長によれば、2011年は太鼓やYOSAKOIソーラン、野球などの文協グループが全伯大会で健闘したほか、会員制システムを厳しくし、会費を払う会員が大幅に増えたことから会の赤字を解消できたなど、実りのある1年だったそうだ。
一方、来年以降に力が注がれるのは、防音設備を備えた太鼓専用練習場と野球チームの合宿所を兼ねた新施設設置プロジェクト。「資金は祭りイベントの売り上げから調達できる見込み。落ち着いて練習できるスペースを用意したい」と石井会長は意気込む。
ニッケイ・クラブ敷地内の土地200平方メートルに建設が予定され、2013年末の完成が目指される。
さらに、「若者をどんどん呼び込み、2015年には会員数も現在の600人から1千人まで増やしたい」—。今後に向けた目標は高いようだ。(長村裕佳子クリチーバ通信員)