ニッケイ新聞 2012年1月7日付け
12月28日付の『ヴェージャ』誌で発表された、昨年一年間で「最も高い評価を受けた連邦議員ランキング」で、パラナ州選出の西森ルイス連邦下議(PSDB)が堂々の25位に輝いた。6日に来社し、「議員一年生だったが良い結果が出て嬉しい。自分でも驚いています」と喜びを語り、「充実した一年でした」と振り返った。
513人の連邦議員の中で、西森下議は日系議員としてはトップ、パラナ選出議員の中では4番目。大田慶子議員(PSB)は同様のランキングで163位だった。
順位付けは、リオ連邦大学内にある政治科学専門の調査機関が1年間調べた結果を基にしたもので、トップ30人までがヴェージャ誌に発表された。
西森氏によれば、調査は連邦議会での法案への投票や発言から伺える考え方などをもとに、議員の立法活動を評価したもの。
西森下議は「与党議員だとゴマをする人もいるが、国民の声や自分の考えが反映されるように法案に投票した」と国民を代弁する野党としての立場を強調し、「税制改革の必要性や義務教育の充実などを特に訴えてきた」という。
昨年のブラジルの国内総生産(GDP)は英国を抜き世界6位に踊り出たが、「一人当たりの国内総生産は低い。現実としてまだ先進国にはほど遠い」とし、改善点が多いと断言した。
「税金が高すぎる。ブラジルと日本はそれぞれ豊富な資源と高い技術を持ち、互いに最高のパートナーだ。日本の企業に来てもらいたいが、高い税金が障壁だ」と現状をのべた。
連邦議会の国際外交委員会にも所属し、3月に発効予定の日伯社会保障協定の承認にも尽力し、「それが認められたのかもしれない」と話す。来月初旬にも日本から厚生労働省の担当者が来伯し、サンパウロ、べレン、クリチーバなどで説明会を行うという。
さらに西森下議も属する農業委員会が中心になって下院で承認させた「森林法」(Codigo Florestal)にも言及した。環境を高いレベルで保護しつつも、小中規模農家の活動を保護するという「世界にも稀に見る先進的な法律となった」と高く評価した。
今年の活動として、日本とブラジルでモザンビークなどアフリカ諸国を支援するプロサバンナ・プロジェクトに力を入れたいと繰返した。
「セラード開発の経験を生かして日伯が手を組んで援助するという計画です。積極的に後押しするつもりだ」と意気込んだ。
日系社会へのメッセージを求めると、「皆さんの票で選ばれて仕事をしている。日系人の名に恥じないような、国民の利益に貢献できるプロジェクトや立法を実施することが自分の仕事です」と今後の活動に意欲を見せた。