借金の返済遅れ21.5%増える=インフレと高金利受け=3カ月以上滞納も7%超す=第1四半期は増加が続く?
ニッケイ新聞 2012年1月12日付け
2010年の景気回復期に受けた融資などで消費者の抱える借金が増えた2011年は、返済遅れも前年比21・5%増え、24・7%増だった2002年に次ぐ高率となったと11日付伯字紙が報じた。
消費者が抱える負債が年収の51・3%に達した2011年は、返済遅れが前年比21・5%増え、3カ月以上滞納という債務不履行も7%増えたという。
11年の負債増加は、2009年に発生した国際的な金融危機脱出のため、国内消費促進策の一つとして個人融資が拡大した事などにも起因。雇用や所得拡大による信頼感の高まりや、クレジットカードの取得が容易になった事などもあり、現金払いで買えないものを購入する例も増えた。
ところが、2010年に促進された国内消費は同年末からのインフレ高進をもたらし、10・75%だった経済基本金利は11年7月には12・50%に達した。
このインフレになかなか歯止めがかからないまま、欧州を中心とする経済危機が始まったのも11年。失業率上昇には至らなかったが、経済成長にかげりが出始め、経済基本金利は8月から下がり始めた。
しかし、基本金利が下がってもすぐには下がらないのが個人融資などにかけられる返済利息で、インフレに伴う購買力低下と高金利による返済能力低下が併発した。
借金の中身は、電気やガス・水道代などの公共料金、クレジットカードや銀行以外の金融機関から受けた融資などの非銀行系の機関に対するものと、銀行からの借り入れなどに大別され、非銀行系の返済遅れが35・3%、銀行への返済遅れも18・6%増えた。
購買力や返済能力の低下はクリスマス商戦にも表れ、減税もあって白物家電などが売れた10年に対し、11年は衣類などを現金払いで買う人が多く、8%前後と予想された売上げの伸びも3〜4%で終わった。
また、11年第4四半期の商業界の信頼指数は128・4ポイントで、前年同期比6・8%という最大の下げ幅を記録。信頼指数が最も落ちたのは11・4%下げた工業界で、自動車関係や製靴業界などでの解雇は、10、11日付伯字紙でも報じられている。
自動車税などの支払いや授業料値上がりなどで支出の増える第1四半期は料金滞納や債務不履行も増えるのが通例で、今年も1〜3月の返済遅れ増加は避けられないとの見方が一般的だ。
今年のインフレ上昇は11年以下と見られ、雇用や所得が安定している間は銀行が貸付を減らす可能性は少ないものの、消費拡大を促して経済成長をとの政府の思いと裏腹に工業界の回復の遅れや解雇の声も聞こえ始めたこの時期、国際的な金融危機が起きた09年の5・9%や10年の6・3%を上回る返済遅れ増加の報道は気がかりだ。