南東伯に7500万レアルの支援=南伯にも10億レアル=穀物の収量予想下方修正=サプカイアの死者20人に
ニッケイ新聞 2012年1月13日付け
【既報関連】12日付伯字紙によると、政府は11日、雨の被害が広がる南東伯3州に7500万レアルの支援を行うと発表した。干ばつで農産物に深刻な影響も出ている南伯には、10億レアル規模の支援が予定されているという。
南東伯の被害は、ミナス、リオ、エスピリトサントの3州に集中しており、政府の緊急支援も、各州に3千万レアル、2500万レアル、2千万レアルの配分となる。
発表はフェルナンド・ベゼーラ・コエーリョ国家統合相によるもので、防災局発行のカードで引き出した支援金は、被災者への食糧供給や避難所の確保、住宅補助、燃料費その他の経費をまかなうために使われる。
政府支援は4億4400万レアルの防災対策基金から支出され、政府援助を希望する自治体は直ちに要望書を送り、支援金受け取り用の口座を開設する必要がある。各自治体への支援額は、来週中に決まる見込みだ。
9日に設置された緊急時の技術支援のための対策室は、複数の省庁が関係しており、統合相の発表も、官房長官や保健、運輸、社会開発、科学技術各省の長や技術者達との会合後に行われた。
南伯の被害は10、11日の雨で拡大し、12日朝の時点でミナス州の非常事態宣言市は137に。死者や行方不明者の数は15人と3人のままだが、避難所や知人宅に身を寄せる人は5万115人に急増した。
リオ州では、9日未明に土砂崩れが起きたサプカイアでの死者が12日昼までに20人に増え、死者総数は22人に。同市では行方不明者2人の捜索が続いており、二つの川が流れ込むカンポス市でも洪水地域が拡大。避難生活者はカンポスの5千人を頭に、約1万5千人に達している。
一方、南大河州など南伯の干ばつも深刻で、12日にサンタカタリーナやパラナの知事とも会談後に発表される予定の支援額は10億レアル。
11日付エスタード紙によれば、南伯は米やトウモロコシ、フェイジョンといった穀物生産の20%を担っており、国家配給公社(Conab)も、2011/12農年の穀物生産予想を、2010/11農年の1億6300万トンを2・8%下回る1億5850万トンに下方修正した。
国際的なコモディティ需要が再び増え、国内消費も増加傾向にある中での減産予想は深刻だが、この数字は昨年の12月19日までの資料を基としており、収量がさらに減る可能性もある。
パラナと南大河州の収量見込みは、大豆は当初予想より142万トンと42万1千トン減の1273万トンと987万9千トン、トウモロコシは105万トンと133万5千トン減の635万トンと396万9千トン、フェイジョンは8万3千トンと9千トン減の34万7千トンと7万2千トンとなっている。