ニッケイ新聞 2012年1月13日付け
今年、節目を迎える9県人会のうち7つが創立記念式典の開催を予定していることが本紙の調査で分かった。福島(95周年)、山口(85周年)、鳥取・大分(60周年)、静岡・千葉(55周年)、長崎(50周年)の7県が祝う。石川(75周年)、京都(60周年)は、開催そのものが未定で、今後役員会で検討されるようだ。
在伯県人会として鹿児島に次いで2番目の歴史を持つ福島は10月21日に式典を開催する。昨年3月の東日本大震災の影響で母県からの慶祝団訪問はない。
曽我部威事務局長は「母県はそれどころではない。県人会館で質素にやりたい」と話す。
山口は8月末の開催を予定。しかし県知事選があるため、知事、副知事の来伯は見込めない。
費用は会員へ寄付を呼びかけているが、要田武会長は「第一線から身を引いて年金生活の会員が多く集まらない。会費制にするかも。客家会館で行った80周年よりは規模が小さくなる」。
鳥取は県の意向で11月11日に同会会館で式典を開く。県からは副知事、出納長ら慶祝団が参加する。2月の総会で詳細を検討する。
「堅苦しくない思い出に残る節目にしたい」と本橋幹久会長。
大分は10月を予定。柿坂公正会長によれば「母県には式典参加を打診しており、県庁からの参加は決まっているが、知事の来伯は未定」と話す。
07年の50周年記念では式典を催さなかった静岡。このたびは県人会館で祝う。開催時期は未定だが、慶祝団が訪れるほか、記念史の製作が決まった。
「資金は順調に集まっているが、原稿は集まっていない。発行は60周年にずれ込む可能性もある」(杉本教雄会長)
10月中旬に開催を予定する千葉の原島義弘会長は「母県からの要望で8月末に変更する可能性もある。詳しいことは、3月の総会で決めたい」とする一方で「火災事故や液状化現象の被害を受けた被災県。盛大にとはいかない」と話した。
「簡単なものではあるが開催したい」と長崎の川添博会長は、9月2日に北海道協会会館で行うとし、県人会の活動や歴史、式典の様子を載せた50周年記念史を製作するという。
今年はサントス市と長崎市の姉妹都市提携40周年であることから、長崎市長も来伯する予定だ。川添会長は「サンパウロ市以外に住む県人が集まる機会になれば」と期待を込める。