ニッケイ新聞 2012年1月14日付け
サンパウロ市市民は30年後のサンパウロ市に迅速な交通ときれいな川を欲していると、13日付エスタード紙が報じている。
サンパウロ市がサンパウロ総合大学(USP)と共に立ち上げた、未来における都市発展を目指すプロジェクト「SP2040」の一段階として、昨年9月から始めた公開アンケートの結果が12日に明らかになった。
インターネットに掲載された質問票や人が集まるところでの聞き取り調査に寄せられた回答は、総計2万5300件。
それによると、最も要望が大きかったのは「流れるように動く街」で、移動の容易さを求める人が25%、持続可能性は20%、規模にあった動きは15%だった。
また、サンパウロ市に期待するプロジェクトとして、どこに行くにも30分ですむ「30分の街」が20・1%の支持を集め、川の美化運動(19・9%)と、ファベーラを含む街の随所で文化やレジャーを楽しめるコミュニティ作り(17%)がそれに続いた。
サンパウロ市が30年間に行うべきこととしては「インフラの充実」がトップ(23%)で、「環境の回復」(21%)、「住宅や雇用の向上」(21%)がこれに続く。
現在の市民が将来のサンパウロ市に望むことは、今後どういう方向に進んで行くべきかの指針とするため文書としてまとめられる予定だが、長期計画への賛同率は93%に達したものの、それが実現すると考えているのは49%に過ぎないという。
都市開発局長のミゲル・ブカレム氏は、この結果は市民の意向を具体的に示したもので、30年後に市民の要望にそった計画が実現するための監視役として、22の市民団体にプロジェクト参加を呼び掛けたという。