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食料品から鉄鉱石まで=水害や干ばつで物価上昇
ニッケイ新聞 2012年1月14日付け
南東伯の水害や南伯の干ばつの影響で、穀物や野菜、果物などの食料品から鉄鉱石まで、様々な品物が値上がりの様相を見せている。
穀物生産地帯の南伯がトウモロコシの不作となれば、トウモロコシそのものの値段と共に、トウモロコシを飼料とする家畜の生産経費も上昇するのは目に見えており、鶏肉や加工品の価格にもその影響が出る。
また、水や飼料となる草の不足で牛がやせ、体が弱って、次の世代が育たないなど、干ばつの影響はしばらく続く可能性が強い。
一方、南東伯のミナス州では、鉄鉱石の採掘や輸送にも支障が生じ、Vale社では、鉄鉱石の生産量が20%落ちるとの予想を発表したという報道は13日付エスタード紙。ミナス州内の国道や州道は寸断されたり穴だらけになったりと散々な状況で、輸送の時間も費用も従来以上となるはずだ。
道路が寸断されたりして輸送が困難になっているのは、野菜や果物などの食料品も同様で、近いところからの品が調達できず、他州から取り寄せたせいで、トマトは50%以上値上がりなどといった報道が、新聞やテレビで繰返されている。
年に3回収穫が可能なフェイジョンなどは影響が少なく、値上がりは一時と見る向きもあるが、一番収量が多い時期の災害だけに端境期の在庫が不足する事を心配する声も上がっている。ミナス州での災害で、サンパウロ州などでも牛乳や加工品の価格上昇の可能性が強い。