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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年1月14日付け

 ここ数年—。県人会創立50周年とかで県知事をお呼びして「エイエイオー」と気勢を上げ勇ましいのは、大いなる喜びと感動する。けれども、その一方では運営が厳しくなり青息吐息のところもいっぱい。いい加減な会計もかなりあるようだし、神奈川県のように会館を売却せざるをえないような哀しい県人会もある。長崎県は前会長ら幹部らの歪な運営がたたり会館を貸与し、事務所を間借りとは、ちょっと情ない▼県人会というのは、昔から「内輪喧嘩」が盛んなとろだし大小の違いはあるにしても、会長と不満組の争いは数え切れない。そんな騒ぎのたびごとにコロニアの識者は眉を顰めるのが常だった。リンゴ名産地の青森県では総会に軍警を呼び厳重警戒の物々しさであり、ここまではいかなくとも沖縄の内紛は想像を越えるほどだったし、あの総会の厳しい情景は今も胸底に生きづいている▼ハワイの沖縄県人たちは、県人会では大きすぎると考えたのか?「村人会」が盛んらしいが、ここブラジルでも「△△村人会」が立派に成立しているし、まあ県人会は、こんな見本と捉えてもいい。だが、県人会館を売りたいと望むところもある▼パカエンブーの高級住宅地に豪華な事務所を誇る鹿児島県人会は、維持管理に経費が掛かり過ぎるので売却したいらしいが、買い手がいなく困っているとも耳にした。岐阜県も老朽化が酷く、売ることにしたが、これとても先行きがどうなるかはまったくわからない。仕方がないので貸し事務所で執務をの意見も強そうながら、こんな県人会が次々と出てくる可能性を否定できないのではないか。(遯)